アート散歩道

毎日多くのヒトやモノが行き交う、活気みなぎる成田空港。
そんな成田空港の中にも、安らぎを演出する空間があるのをご存知でしょうか。
実は、皆様が何気なくご利用されている場所に数多くの芸術作品が存在しているのです。
このコーナーでは、それらの芸術作品をご紹介すると共に、成田空港での新しい時間のすごし方をご提案します。
皆様の旅の1シーンに花を添えるアートとの出会いがあることを願って・・・・

出国手続き前エリア

1F

曙光

株式会社堀木エリ子&アソシエイツ 堀木エリ子

地球上のすべてのものをやさしく包み込み、エネルギーの源となる「曙光」をテーマにしています。
古来から伝わる紙漉きの技術により、暖かな空気感や気配を演出しています。

場所

第1ターミナル 1F

4F

B.S.EAST/V.O.WEST

中村哲也

飛行機をモチーフにした対の彫刻です。
「B・S・East (ブルー・スカイ・イースト)」は東の雲、「V・O・West (ヴァイオレット・オーシャン・ウエスト)」は西の波を表し、これは、太陽が東の空から昇り、西の海に沈むことから着想を得ています。
雲は、平等院の「雲中供養菩薩」、波は、「海賦文様」という日本の伝統文様をベースにしています。
「B・S・East」は、高さ4.5メートル、幅2.2メートル、奥行き1.6メートルで、「V・O・West」は、高さ4.5メートル、幅2.4メートル、奥行き1.6メートルです。

場所

第1ターミナル 4F

4F

成田国際空港 南ウイング盛況の圖/成田国際空港 飛行機百珍圖

山口晃

成田空港をモチーフに現在、過去、未来が渾然となった透視図です。
「成田国際空港 南ウイング盛況の圖」では、ターミナルビルの内外を透視し、江戸時代の旅人や施設などが登場しています。部分的に時代不詳の表現で成田空港の賑わいぶりが描かれています。
「成田国際空港 飛行機百珍圖」では、温泉施設やお座敷を備えた豪華な3階建てジェット機が黄色の雲の上を飛び、雲間からはお城のような成田空港が見えます。
ペンで細かく書き込んだ水彩画の原画を、陶板に転写して壁画風に仕上げられた作品の大きさは、ともに高さ3.8メートル、幅3メートルです。
近くに寄って見れば様々な楽しい発見があります。

場所

第1ターミナル 4F

4F

THE UNIVERSE

山本容子

山本容子氏の原画による巨大なステンドグラス。人と人、国と国とが協力し、支えあうことが平和な世界を守る上で一番大切であり、一人ひとりがこの事を胸に刻み込んで生きていけば、この世のすべての争いはなくなる、そんな想いがこの作品には込められています。

場所

第1ターミナル 4F

4F

天女の像

北村西望

昇る太陽は、明るい未来を、日本の空を自由に飛び回っている天女は旅行者の安全だけでなく、世界の平和を象徴しています。

場所

第1ターミナル 4F

4F

飛翔する天女たち

粟津潔

栗津潔氏の原画による巨大なステンドグラス。画面の中いっぱいに「天女たち」がのびやかに踊っている様子は、華やかさと優しさに溢れ、新しい出会いに胸をはずませる人々の心が表現されています。

場所

第1ターミナル 4F

4F

ガラスタワー・清らかな自然の郷

岩田糸子

第1ターミナル出発ロビーのシンボルとなっているこの作品は「清らかな自然の郷」をイメージしており、淡い緑の地に「蒼空と水」「樹と繁み」「花と華」「豊穣」を色で表現し、そのカラフルな彩色が旅行者の目を引きつけています。

場所

第1ターミナル 4F


出国手続き後エリア

3F

時の花

坂上直哉

重なり合う花びらが、歩を進めるにつれ美しく優雅に形をかえていく「時の花」。四季のはっきりとしている日本では、花の香りは私たちに季節のメッセージをもたらし、月のかたちは時節の推移を教えてくれます。

場所

第1ターミナル 3F

3F

日本/全ては繋がっている

MASAMI DESIGN 髙橋正実

左右対称にある導入部金銀の30mに渡る2枚の壁画は、黄金の国ジパング、そして日出づる国日本をイメージし、時空を越えてとぶ金魚の絵を施すことにより、コアゾーングラフィックパネルのストーリー、日本自体の紹介へと誘います。そして日本の誇るべき産業、技術も同時に紹介していきながら、「日本を応援する」事を第一の目的として考えられたデザインとなっています。

場所

第1ターミナル 3F


入国手続き前エリア

4F

第1・第2サテライト到着コンコース陶板

河合 紀陶房/京都市山科区

第3サテライト・南ウイング到着コンコース陶板

国代耐火工業所/愛知県瀬戸市

After:現在の第1ターミナル4F第2サテライト到着コンコース

After:現在の第1ターミナル南ウイング2F到着コンコース©︎篠澤 裕

Before:リニューアル以前の第1ターミナル南ウイング、出発ロビー(後方の壁面に、陶板が見えます。)

第1、第2、第3サテライトおよび南ウイングの到着コンコースの壁面には、印象的な陶板がずらりと並んでいます。
これらは、かつては北ウイング、南ウイングの出発ロビーの壁面を飾っていましたが、1987年千葉県東方沖地震により、これらの陶板の大半が損傷を受けてしまいました。幸運にも無傷であった一部の陶板のみ、倉庫に保管されました。
第1旅客ターミナルビルでは、1999年に北ウイングが、2006年に南ウイングが大規模なリニューアルオープンを遂げ、それぞれ新しいデザインで生まれ変わりました。
この際、長い間倉庫に保管されていた、かつての北ウイング出発ロビーの陶板は、第1・第2サテライトの到着コンコース壁面に、かつての南ウイング出発ロビーの陶板は南ウイングの到着コンコース壁面に飾られることになりました。
※こちらの作品は2Fに降りていただきますとご覧いただけます。

場所

第1ターミナル 3F

出国手続き前エリア

3F

日月四季

原画:加山 又造 Matazou kayama

第2旅客ターミナル出発ロビー中央部に設置されているこの屏風仕立ての巨大壁画(縦3.5メートル、横39.2メートル)は、「日本の表玄関を飾るにふさわしい、日本をイメージするアートワーク」をコンセプトに、我が国を代表する日本画家・加山又造氏(故人)に原画を依頼し、セラミック陶板にしたものです。
作品は日本の特徴である「春夏秋冬」の流れをテーマとしており、金彩やプラチナ彩などを多用しているのが特徴です。原画をベースに陶板の良さをさらに引き出すため、いわば原画を陶板に「翻訳」するという考え方で加山画伯自らが制作の指導を行いました。画伯には、コンクリートと金属、そして鋭角なシルエットで構成される旅客ターミナルの空間に、日本の四季をテーマとし、どのようにしてやさしい環境を演出するかという点で特別なご尽力を頂きました。

場所

第2ターミナル 3F

1F

赤と白のつばき/紫のかきつばた

田中一光

第2ターミナル到着ロビーでひときわ目を引くのが、南北両端に飾られている陶板の作品。到着ロビーの南側に「赤と白のつばき」、北側に「紫のかきつばた」があります。花のデザインを釉薬の色で塗り分けるのではなく、花びらの色や茎の色ごとに目地を入れ、いわばジグソーパズルのように大型陶板を曲線異形で成形しています。

場所

第2ターミナル 1F


入国手続き前エリア

2F

光屏風(藍)

吉岡幸雄(京都府京都市)

©  Forward Stroke Inc

日本人の生活に紙はかかせません。襖、障子、屏風などの建具や家具から、行灯や提灯といった照明器具、屏風の蝶番までも器用に紙で細工します。紙は破けやすいですが、貼り直し、手入れを繰り返すことで長く維持することができます。自然からいただいたものを大切にし、そして、四季とともに植物が盛衰を繰り返すように、時の移り変わりによる変化を受け入れ、それをよしとする。そんな日本人の心が紙の文化に表れています。
さらには、襖や屏風に絵を描きゲストを出迎えるという美意識もそこにはあります。ここ到着コンコースの両端部においては、日本の色を代表する2色「紅」と「藍」を染司吉岡によって植物で染め、屏風作品として配しています。紙は島根県斐伊川の井谷伸次氏の工房で作られた上質な和紙を用い、経師は鈴木源吾氏によって仕立てられ、職人技が結集した屏風は、行灯のようにやわらかな光を放ち、人々を迎えています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

作者:狩野笑雲(群馬県富士見村) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

季節の変化に富み、湿度の多い日本では、自然に呼応する木材によって家屋を形作ってきました。
本作品では、日本家具や建具の意匠を踏まえ、平板と枠材で構成しています。今では貴重となった原生の木材(スギ、カツラ、ヒノキ、ケヤキなど)を用い、長い年月の中で木自身が描きだしてきた木目の造形美を強調しています。
職人の精巧な手わざであるカンナ掛けによって木目の美しさは引き出されています。その美しい木目を強調し、また長く保つために表面を自然素材であるワックスで整えています。
中心部には木の暖かい手触りを楽しめるよう、丸い鼓のような立体的なオブジェが据えられています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

作者:金子忠雄(千葉県船橋市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

土は日本だけでなく様々な国で建築素材として古くから用いられてきていますが、土という原始的な素材を美しく、機能的にも優れた壁に仕上げる左官は、日本の代表的な職人わざと言えます。
本作品では、日本の土壁として、土の表情を残したものと漆喰壁のなかでも味わいの深い「土佐漆喰」を組み合わせ、段差をつけることによって、壁面に奥行きと表情を創り出しています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

作者:五十嵐清(群馬県藤岡市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

瓦は日本の木造家屋の屋根に使われてきました。現在では洋瓦の需要が増え、また和瓦も機械によって成形され、ガスや電気釜で焼成することが主流となるなかで、今もなお、「だるま窯」と呼ばれる伝統的な窯で焼成されている瓦を展示しています。
瓦を生産する窯が陶のそれとは異なる部分は、窯の形状にあります。瓦の窯は、中央に瓦を積み重ね、両脇から薪をくべます。直接的に薪の灰(釉)を瓦にかけず、その代わりに煙を充満させて燻すことにより、墨色を生み出すとともに、防水性を高めます。その窯から生まれる瓦の墨色は、それぞれ違ったものとなり、深い味わいがあります。
本作品は、ひとつひとつ手で成形され滑らかな曲線をもつ瓦の美しさを伝えるために、シンプルに瓦を並べ、波型の曲線を強調しています。下から3段目の雪止めはアクセントとなるだけでなく、雪の多い国での知恵であることを示しています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

作者:三笘茂美(滋賀県信楽市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

陶器を大量に生産するために、古くは一般的だった「登り窯」(傾斜を利用して火をめぐらせ、効率よく焼成するための大きな窯)も、現在では生産性やコストなどからガス窯が主流となり、現在もなお稼動できる登り窯は非常に少なくなってきています。本作品は、その数少ない登り窯をこの作品制作のために稼動させ、焼成することにより、伝統的な技法を残し伝えています。
登り窯は5、6日間24時間ずっと赤松をくべ続けます。窯の入口近くに置かれた陶には松の灰が多くかかって釉となり、ところどころにびーどろ(ガラス質の表面)が生まれます。傾斜の上部に行くにしたがって、「緋色」と呼ばれる赤い色合いとなっていきます。本作品は、その流れにあわせ、下部から上部に向かって火が昇っていくように展示されています。
自然の灰がかもし出す表情(景色)に一枚として同じものはありません。

場所

第2ターミナル 2F

2F

作者:山本英明(福井県鯖江市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

下地に黒漆を塗り重ね、仕上げに朱色の漆を塗り上げる「根来塗」は、はるか数千年前から用いられてきた技法を今に残す伝統的な漆塗りです。その素朴で力強い美しさをストレートに表現するために、朱と黒の漆を等分で塗り分けて展示し、明快な意匠としています。
「根来塗」は器などの日常品として用いられ、日々の営みのなかで使い込まれることによって、朱の表面に下塗りの黒漆が現れてきます。そこに現れた模様を美しいとしてきた日本人の美意識のなかに、自然・生への敬意を見てとることができます。よって本作品は、あえて模様は排除し、本来の根来塗りの姿を示すことによって、根底に流れる日本の美意識を表出しています。
表面は研ぎの工程によって鏡のように艶やかになり、通り過ぎていく人々を映しこみながら、視点の動きによって見えてくる色合いが変化していきます。

場所

第2ターミナル 2F

2F

蒔絵

作者:番浦鴻藏(滋賀県近江八幡市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

漆の特性を活かし、より装飾的な美しさを求めて発展した技法が「蒔絵」です。漆で絵や模様を描き、それが乾かないうちに金粉を蒔く蒔絵は、日本独自の漆芸として、海外からも高い評価を得ました。
本作品は、「高台寺蒔絵」にあるすすきの文様を参考に、自然を抽象化した文様の美しさを描き出しています。
朱の色合いは、外側の8枚は「洗朱」という明るい色合いを、中央に近い4枚は深い朱とし、朱の色の変化も楽しめる仕掛けとしています。また、朱と交互に配置された黒漆には、あえて模様を描かずに朱の漆絵を引き立てています。中央の蒔絵には金を多く用い、作品に求心性をもたらしています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

磁器

作者:岩永浩(佐賀県有田町) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

日本の磁器を代表する伊万里焼は、後にドイツのマイセンの絵付けにも影響を与えたと言われます。本作品は、伊万里焼の誕生初期にコバルトのみで描かれていた古伊万里の伝統技法を今に残し、手描きで絵付けし、天然素材の釉を使用する職人の作品を展示しています。
磁器の絵柄は、皿というかたちのなかで完結した絵となっているため、盤状に加工するなどの余計なアレンジは施さずに、器そのものを展示しています。伝統的な古伊万里の絵柄を中心に職人オリジナルの絵柄も交えて、1点1点異なる絵皿とし、その多様性を表現しています。
身近な器という存在を整然と並べることによって、建築空間のなかで調和させつつ、それぞれ異なる絵柄をもつ数々の皿は、人々を小さな宇宙へ引き込みます。

場所

第2ターミナル 2F

2F

金箔

作者:笠間志保(石川県金沢市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

日本における金の採掘量は決して多くはなく、貴重な存在であったため、手先の器用さを活かし、金を薄く叩き延ばして箔にする技術が発展しました。
本作品では、金箔がかつて襖絵や屏風絵の背景となって人々を豪華絢爛な世界へ誘ったように、本金の箔を使用して、上質な和紙の上に貼りこんでいます。
和紙は木のパネルに下貼りを重ね、温度の変化にも対応できるものとなっており、古来の襖の仕上げを踏襲しています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

作者:松井通仁(京都府京都市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

七夕や正月の門松、さらには地鎮祭での忌竹(いみだけ)など竹はそのまっすぐ生長する姿から縁起がよく清浄なものとして日本人の生活に取り入れられてきました。竹垣もそのひとつで、職人の手によって様々な加工が施され、造形的な美しさをもって日本庭園を飾っています。
本作品では、竹を細かく割き再び組み合わせることで乾燥による竹の割れを事前に防ぎ装飾的な美しさにまで高められている「松明垣」を展開しています。
竹を前後ダブルに組み合わせ立体的な美しさを創り出しています。また横桟にはこげ茶色の煤竹を使用し、黒縄とともに白竹との美しいコントラストを創り出しています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

作者:松﨑勝美(京都府京都市) アートディレクション:吉岡幸雄

©  Forward Stroke Inc

日本において、石は西洋のように積み上げて壁材とすることはなかったものの、城郭の基礎や寺院の木柱の礎石として建築を支えるいしずえとなったり、庭石として日本庭園の造形美の形成に使われてきました。
本作品では、京都 東本願寺の枳殻邸の高石垣を参考に、石垣の力強いイメージと、庭石の造形美を組み合わせて展開しています。
左上から右下の大きな鞍馬石への流れでは、人々を招きいれ、玄関の沓脱(くつぬぎ)石へと向かう流れがイメージされています。これは空港という場所がもつ「人々訪れ、行き交う」要素を、日本の庭で用いられる伝統的な石組みで表したものです。
石は全て日本産(8~10種類程度)を用いています。

場所

第2ターミナル 2F

2F

光屏風(紅)

吉岡幸雄(京都府京都市)

©  Forward Stroke Inc

日本人の生活に紙はかかせません。襖、障子、屏風などの建具や家具から、行灯や提灯といった照明器具、屏風の蝶番までも器用に紙で細工します。紙は破けやすいですが、貼り直し、手入れを繰り返すことで長く維持することができます。自然からいただいたものを大切にし、そして、四季とともに植物が盛衰を繰り返すように、時の移り変わりによる変化を受け入れ、それをよしとする。そんな日本人の心が紙の文化に表れています。
さらには、襖や屏風に絵を描きゲストを出迎えるという美意識もそこにはあります。ここ到着コンコースの両端部においては、日本の色を代表する2色「紅」と「藍」を染司吉岡によって植物で染め、屏風作品として配しています。紙は島根県斐伊川の井谷伸次氏の工房で作られた上質な和紙を用い、経師は鈴木源吾氏によって仕立てられ、職人技が結集した屏風は、行灯のようにやわらかな光を放ち、人々を迎えています。

場所

第2ターミナル 2F