施設の管理体制

成田国際空港株式会社の取り組み

成田国際空港株式会社では、空港諸施設の機能が安全かつ良好な状態を維持できるよう施設ごとの基準を設け、点検・整備を実施しています。また、航空機の運航の安全や保安にかかわる重要な施設に関しては、各種設備が正常に機能しているかどうか24時間体制で監視を行っています。主な施設の監視体制、緊急時の対応は次のとおりです。

1.基本施設

空港内に緊急地震速報受信端末が設置されており、震度4以上の地震が発生したときには臨時点検を実施することになっています。

また、毎年12月15日から翌年3月31日までを雪氷対策期間とし、気象情報および路面凍結監視装置により滑走路の路面温度などを把握し、積雪量、気温などの状況に応じて、除雪作業や凍結防止剤の散布作業を行うことにしています。

2.建築施設

空港内の各建築施設は、地震や台風などの自然災害による施設被害を最小限に抑え、多様な利用者が安全に空港施設を利用できるよう、点検・整備を実施しています。

地震、台風、豪雨などによる突発的な障害に備えるため、24時間の管理体制を構築し、施設障害を最小限に抑えています。

震度4以上の地震発生時には、マニュアルに従い緊急点検を実施し、安全に空港運用が継続できるよう迅速に対応しています。

3.航空保安施設

航空保安照明施設や航空保安無線施設は、航空機の運航の安全に直接関わる施設であるため、予防保全による保守管理を行い設備の障害を最小限に抑えるとともに、その運用状況を24時間体制で監視しています。また、緊急時にはマニュアルに従い、迅速に対応し安全運航の確保に努めています。

4.機械施設

上水は、千葉県企業局から供給を受けており、給水センターで受け入れたのち、各建物に供給しています。給水センターでは24時間体制で監視を行っており、緊急時には、マニュアルに従い対応することにより、上水の安定供給の確保に努めています。

昇降機設備(エレベーター)については、地震発生時には感震装置が働き、最寄りの階で停止するようになっています。エスカレーターや動く歩道には地震感震装置が設置されていませんが、エレベーターを含め、防災センターで24時間体制で監視を行っています。

手荷物搬送設備は、監視室において運行時間帯は運転監視を行っており、震度5以上(地震加速度250Gal以上)を感知した際に自動的に停止するよう、制御されています。また、緊急時対応マニュアルを制定し、これに従って対応することにより設備の安全確保・安定運用を図っています。

その他の機械設備についても、24時間体制で監視・保安体制をとっており、緊急時には予め制定された対応マニュアルに従って対応することにより適切な状況把握と連絡を確保し、設備の安全確保と安定運用に努めています。

5.電力施設

成田空港の電力は、中央受配電所において電力会社から6万6000ボルトの電圧で一括受電(2系統)する方式としていますが、地震などの被害により空港までの上位の系統に電力供給の障害が生じた場合には、旅客ターミナルビルなどの各施設に設置された非常用発電機により、空港の基本機能を維持するために必要な電力を確保することとしています。

さらに、瞬時においても停電が許されない航空保安施設および旅客をはじめ空港関係者に情報を提供するために欠くことのできないフライトインフォメーション設備・非常放送設備などの負荷設備にあっては、電力供給の寸断時にその機能を持続可能とするために無停電電源装置を併せて配備しています。

一方、空港内の電力・電気設備に対しては、旅客ターミナルビルなどの監視室で24時間体制で監視を行うとともに、緊急時には、マニュアルに従い電力供給施設の状況把握と適切な連絡、保安の対応が図れるようにしています。

6.情報通信施設

情報通信設備は、フライトインフォメーション設備・放送設備といった空港を利用する旅客に欠かせない設備をはじめとして、総合情報通信網設備・監視用CCTV設備等、様々な設備があります。これらの設備は、24時間の保安体制を取っており、地震などの緊急時には、すぐに施設の状況把握と適切な連絡・保安対応がとられることになっています。