飛行コース編

航空機が安全に飛行し、また、航空機騒音が広がらないように、成田空港では航空機の飛行コースを日夜、監視し続けています。でも、「どうやって監視しているの?」と思われるかもしれませんね。実は空にも交通ルールがあるのです。

COURSE1 空にもみちがある

航空機が安全に大空を飛ぶために必要なもの、それは「空のみち」です。「空のみち」にしたがって、航空機は離陸してから着陸するまで定められた飛行コースや飛行方法を守り、安全に確実に飛んでいるのです。

電波で安全に飛行

窓の外が真っ白で何もわからない雲の中を飛ぶ時に、頼りにするのはコクピットにずらりと並んだ計器やコンピュータ画面のみです。航空機は、地上から送られてくる電波で自分の位置を確認しながら飛んでいるのです。

このように、航空機はこの地上から送られるいくつもの電波で示された線に沿って飛んでいます。これが「空のみち」なのです。

COURSE2 成田空港周辺の飛行コースは

成田空港では、安全の確保と合わせて、航空機騒音による影響をできるだけ小さくするように配慮しています。

直進上昇・直進降下の実施

成田空港では、航空機騒音による影響をできるかぎり小さくするために、利根川から九十九里浜までの間は、離陸の時には直進上昇、着陸の時には直進降下するように飛行コースが設定されています。

飛行コース幅と飛行方式

飛行コースは、空港から南北方向にだんだん広がり、利根川付近で2.5キロ(A滑走路)、1.7キロ(B滑走路)、九十九里浜で4.5キロ(A滑走路)、5キロ(B滑走路)の飛行コース幅が設定されています。

成田空港から離陸した航空機は、直進上昇の際に、できるだけ高い高度が得られるよう上昇し、その後加速する急上昇方式を行っています。

COURSE3 気象条件に応じた飛行コース

成田空港では、航空機が安全に離着陸を行うために、絶えず変化する気象条件に応じて離着陸方向を決めています。

絶えず変化する気象条件

飛行コースに最も大きな影響を及ぼすもの、気象条件です。航空機は風上に向かって離着陸を行います。成田周辺では、冬は北風、夏は南風が吹く傾向がありますが、一定しているわけではなく、急に風向きが変わることも少なくありません。このように絶えず変化する気象条件をつねに把握して、安全な離着陸方向を決めています。

飛行コースからやむを得ずはずれて飛行する場合があります

強風や雷雲等を回避したり、航空機同士の安全な間隔を保つ必要があったりする時には、航空機の安全を考えて、標準的な飛行コースからやむを得ずはずれて飛行することがあります。

なお、飛行コースからはずれた場合でも、航空機は安全に飛行を続けられるようになっています。

COURSE4 飛行コースを守ってもらうために

航空機が安全に飛行し、また、航空機騒音が広がらないように、成田空港では常に飛行コースを守ってもらうようにしています。

飛行コースのチェック

飛行コースについては、ルールが守られているかどうか、レーダーの情報を利用して常にチェックをしています。飛行コース幅をはずれてしまった航空機があった場合は、どうしてはずれてしまったのかを詳しく調査しています。

はずれた場合は注意も

調査の結果、ルールを守らずに飛行コース幅をはずれてしまった航空機は、地域相談センター等で便名を公開しています。 さらに、再発を防止するため、国土交通省が、その航空会社に対して注意し、指導を行います。

COURSE5 飛行コースを情報公開しています

成田空港では、離着陸する航空機の飛行コースを地域の方々に情報公開しています。

わかりやすく動画で表示

成田空港では、平成9年度末から、前日に離着陸した航空機の航跡図を地域相談センター等において掲示して、情報公開を行っています。

さらに、平成12年4月10日から、前日に離着陸した航空機の航跡をディスプレイ(コンピューターの画面)上に動画で表示して、よりわかりやすい形の情報公開を行っています。

情報公開

飛行コースや空港に関する情報公開資料の閲覧や入手を希望される方は、 下記の施設やウェブサイトをご利用ください。