落下物編

航空機にとって、安全確保は至上命令です。もちろん飛行の安全はなによりも優先されなくてはなりませんが、同じように、航空機が飛行する地域の安全、つまり地上の安全を守ることが絶対に必要なのです。その意味で、航空機からの落下物はあってはならないことです。航空機からの落下物をいかにして防ぐか、国土交通省・当社(成田国際空港株式会社)は懸命に取り組んできました。成田空港の場合、これまでの対策はかなり効果をあげています。

OBJECTS1 落下物ってなあに?

航空機からの落下物は本来あってはならないもの。 落下する危険性のあるものにはいったいどんなものがあるのでしょうか? また、どうして落下するのでしょうか?

落下物のほとんどは氷の塊

落下物は多くの場合、氷の塊です。航空機から漏れた水が上空で凍って、それが着陸直前に落ちてくるというケースです。

しかも、その氷の塊は、航空機が着陸のために胴体から車輪を出す、いわゆる脚下げの時に落ちてくることが多いとわかりました。

過去には、まれに軽金属片やプラスチック等の航空機の部品が落ちてきたこともありますが、これは航空機の整備が十分に行われなかったことが主な原因です。

OBJECTS2 落下物はどのくらいあるの?

落下物は、最近では年間2件くらいになっています。

最近は大幅に減少

過去にさかのぼってみますと、1989年度には19件ありましたが、落下物防止対策を進めたため、今では大幅に減って、1年に2件くらいになっています。しかし、残念ながらゼロにはなっていません。

OBJECTS3 これまでの対策は…

あってはならない落下物。それを未然に防ぐために、成田空港では次のような対策を行っています。

洋上脚下げの実施

国土交通省・当社(成田国際空港株式会社)はできるだけの努力をしてきました。その代表的な例が南側から着陸する場合の洋上脚下げ方式の実施です。

はじめは航空会社に協力を呼びかけていましたが、その後、航空関係者にとって必要な情報を提供する文書(航空路誌)に掲載し、さらに航空機に無線で連絡して、洋上脚下げ方式の実施を徹底するようにしました。こうした対策によって、落下物(とくに氷塊)は大幅に減ったのです。

現在も国土交通省・当社(成田国際空港株式会社)は共生委員会の立会いのもと、実際に脚下げをしているかどうか、蓮沼海岸(九十九里浜)で定期的にチェックしています。

OBJECTS4 目標は「落下物ゼロ」です

成田空港では起こり得る原因を可能な限り追究し、できるものから着実に対策を実行しています。

航空機の定期的な点検を要請

成田空港を離着陸するすべての航空機に対して、洋上脚下げ方式のほかにも、落下物を防止するためできるだけの対策を行っています。

まず、着陸した航空機の氷塊付着調査を行い、原因を調べています。そのほかにも、航空機を製造している国やメーカー、航空会社に対し、落下物がないように注意を喚起しています。とくに航空機の“水まわり”については、漏水が起きないよう部品の交換や定期的な点検を行うよう航空会社に要請してきました。

また、機会があるたびに、国際会議(ICAOアジア太平洋地区航空局長会議等)で、成田空港の実情を訴え、落下物防止について協力を求めています。落下物の防止には、これからも全力で取り組みます。国土交通省・当社(成田国際空港株式会社)の目標は「落下物ゼロ」なのです。

OBJECTS5 落下物があった場合は

成田空港では日々落下物の防止対策を行っていますが、万が一航空機からの落下物、あるいはそうと思われるものを発見された場合はむやみに手を触れず、まずはご一報ください。速やかに調査し、誠意をもって対処します。

速やかな通報を

落下物があったときは、速やかに状況を調査して、どの航空機から落下したかを見きわめ、その航空会社に厳重に注意して、落下物を発生させないようにします。

不幸にして建物等に被害が出た場合は航空会社が補償する仕組みになっています。

これまでは幸いにも人に被害が及ぶことはありませんでしたが、これからも地上の安全を守るために万全を期していきます。

連絡先

まずは、お住まいの市町村窓口にご連絡ください。お住まいの市町村窓口につながらない場合は、当社(成田国際空港株式会社)にご連絡ください。

成田国際空港株式会社

電話番号(代表電話)
代表電話につながらない場合
0476-34-8000(NAAフライトインフォメーション・取次ぎ窓口)
当連絡先で概要をお聞きした後、担当者から折り返しご連絡させていただきます。