航空機騒音編
航空機の騒音は、空港周辺の住民の方々にとってきわめて深刻な問題なので、成田空港では航空機騒音の対策に最大限の努力をしています。
NOISE1 なぜ騒音が出るの?
空港周辺では、航空機騒音の問題を避けて通れません。なぜ騒音が発生し、どの程度の影響を及ぼしているか、それを見きわめて対処していくことが大切です。
ジェット騒音が主な原因
航空機はエンジンの中で燃料と空気を混合して燃やし、そのガスを高速で噴射する力で飛行しますが、その時に大きな音が出ます。このジェット騒音が問題なのです。
上空から広い範囲に
しかも、その騒音が上空で発生し、さえぎるものがないために、飛行コースを中心に、長い時間、広い範囲に及ぶのが特徴です。そのために、より多くの方々に迷惑をかけてしまうのです。
NOISE2 まず騒音を測る
騒音がどの範囲に、どの程度の影響を及ぼしているかをきめ細かく調査測定しています。
33か所で24時間体制常時測定
成田国際空港株式会社の騒音測定場所
当社(成田国際空港株式会社)は、空港周辺住民の方々の暮らしに、どの程度の影響があるか調べるため、33か所に騒音測定局を設置して、年間を通じ24時間体制で測定をしています。
同じような測定は、千葉県、茨城県関係市町村によって69か所でも行われています。
きめ細かな短期測定
その他に騒音対策を進める上で特に騒音に注意する必要のある58か所では、主に夏と冬に1週間、測定員を配置してさらにきめ細かな測定しています。
NOISE3 騒音を測ってみたら
騒音の実態を調べ、騒音の影響を小さくするように必要な対策を行います。
発着回数は3倍以上
航空機の発着回数が、開港時とくらべると3倍以上になっていますので、騒音の発生回数も増えています。
「うるささ指数」は変化なし
しかし、低騒音型の航空機の導入を進めてきたことにより、1回あたりの騒音が小さくなりました。このため、環境基準で採用している「うるささ指数(WECPNL)注1」はほぼ横ばいになっています。
注1:WECPNLとは、音の質、大きさ、回数、時間帯等を総合的に組み合わせて、航空機の1日のうるささを表す単位です。また、平成25年度からうるささの指数は「Lden」という単位での評価に変更となりました。
さらなる対策の努力
航空機騒音の環境基準は、人の健康と生活環境を守るために、維持していくことが望ましい基準として国が定めたものですが、この基準を達成するために、今後も騒音の影響をできるだけ小さくするよう、騒音の実態を踏まえて、様々な対策を進めていきます。
NOISE4 どんな対策をとっているの?
騒音対策として、まず必要なことは、上空からの騒音をできる限り減らすことです。
低騒音型航空機の促進
航空機そのものの騒音は、航空機の小型化、製造技術の進歩による新型の低騒音型機材への交代が進み、年々小さくなってきています。さらに、成田空港では騒音の小さな機体ほど着陸料金を値引きする制度を取り入れており(注1)、新制度の導入以降、低騒音型の就航割合が増加しています。
注1:成田航空機騒音インデックスといい、航空機の騒音のレベルでA~Fまでクラス分けをし、最も騒音の低いAクラスではFクラスと比べて20%以上国際線の着陸料を安くしています。
発着時間の制限
また、地域との話し合いにより、発着時間は午前6時から午後11時までとし(注2)、それ以外の時間帯での航空機の発着を厳しく制限しています。
注2:緊急事態や弾力的運用対象機は除きます。
NOISE5 空港とその周辺では…
騒音の被害を少しでも減らすために、地上、つまり空港とその周辺で、さまざまな対策を実施しています。
防音堤や防音工事
滑走路に沿って防音堤、防音林、防音壁の整備を進めています。
また、住宅や学校、病院等に対して、窓やドアを防音アルミサッシ等にする防音工事の助成を行っています。
さらに、共生財団や関係市町村においてもきめ細かな助成策がとられています。
移転には補償
成田空港周辺で特に騒音の激しい地域に住んでいる方々に対して移転補償を実施しています。また、個別移転だけではなく、地域社会のつながりに配慮した集団移転も行っています。
NOISE6 騒音を情報公開しています
成田空港では、離着陸する航空機の騒音を地域の方々に情報公開しています。
リアルタイムで表示
平成21年4月1日から、航空機騒音の測定結果等の情報をリアルタイムで広く公表するために、環境情報をインターネットで公開しています。